ヘンダーランドに不健康ランド、20世紀博、ディノズアイランドなどなど!「映画クレヨンしんちゃん」に登場した個性豊かなテーマパークたち
「20世紀博」の“懐かしい臭い”に大人たちが夢中になる『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』
『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』(01)に登場するのは「20世紀博」という万博風のテーマパーク。施設内では特撮ヒーローや魔法少女になりきってスタジオ撮影ができるほか、レストランで学校給食が振る舞われ、懐かしい玩具や駄菓子を販売するショップがあるなど昭和の思い出を追体験できることから、ひろしやみさえたち大人はすっかり夢中になってしまう。パーク内だけでなく、街中には旧車が走り、レコードや白黒テレビが販売され…といった具合で、外の世界にも影響を及ぼしていた。そしてある晩、「20世紀博からの大事なお知らせ」が放送されたことを機に、大人たちは子どもを置いて去ってしまう。
20世紀博の正体は、21世紀の日本に絶望したイエスタディ・ワンスモアのリーダー、ケン(声:津嘉山正種)と彼の恋人、チャコ(声:小林愛)によって建てられた施設。誰もが希望を持って生きていた20世紀に、日本を逆戻りさせようとし、施設内部にはケンに賛同する人々が暮らす古きよき時代の昭和の街並みが広がっている。20世紀博から発せられる“懐かしい臭い”で大人が洗脳されるなか、しんのすけたちが未来を取り戻そうと奮闘する。子ども時代を遡っていたひろしが自身の靴の悪臭を嗅がされたことで、青春時代や家族との思い出が甦り、正気を取り戻すシーンは涙なしでは観られない。
遊園地でかすかべ防衛隊とスウィートボーイズが激突した『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ栄光のヤキニクロード』
全編ギャグに振り切った『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ栄光のヤキニクロード』(03)は、謎の組織「有限会社スウィートボーイズ」によって指名手配された野原一家が、晩ごはんの超豪華焼肉にありつくまでを描くロードムービー。4人と一匹がバラバラになって逃走するなか、しんのすけとかすかべ防衛隊がスウィートボーイズの構成員と激突する場所として遊園地が登場している。
執拗な追手を巻くため、ボーちゃん(声:佐藤智恵)のアイデアで遊園地へ逃げ込んだしんのすけたち。そこへ数機のヘリコプターを伴って、組織の幹部、堂ヶ島少佐(声:徳弘夏生)が登場し、観覧車から走行するジェットコースターへと白熱の逃走劇が展開された。その際、幹部の一人で強硬派の天城(声:皆川純子)が一機のヘリをハイジャックし、強引にしんのすけたちに接近した結果、ヘリが墜落。隊員が「ブラックホーク・ダウン!」と連呼するなど、リドリー・スコット監督の『ブラックホーク・ダウン』(01)をオマージュしたような演出も見られた。