旅行に行きたくなる!『シサム』に『ゴールデンカムイ』『鉄道員』など北海道の魅力が詰まった映画たち
北の歓楽街、ススキノを探偵と相棒が駆け巡る「探偵はBARにいる」シリーズ
大泉洋演じる私立探偵と松田龍平扮する相棒のコンビが、ススキノを舞台に活躍するハードボイルドミステリー。行きつけのBAR「ケラーオオハタ」に入り浸る探偵と相棒兼運転手の高田。ススキノの街を知り尽くす彼らのもとには、なぜか面倒なワケアリ仕事が次から次に舞い込んでくる。1970~80年代のB級アクション映画を彷彿とさせる毒気や、主演コンビのコンビネーションで話題を呼んだ痛快作。2011年公開の第1作に続き、『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』(13)、『探偵はBARにいる3』(17)とシリーズ3作が製作された。
北の歓楽街ススキノ。札幌市中央区のすすきの交差点を中心とする一帯は、新宿の歌舞伎町、福岡の中洲と並び三大歓楽街として知られている。ニッカウヰスキーのネオン看板やノルベサ屋上観覧車など街のランドマークが画面のあちこちに顔を出す。そんな本作の巡礼で訪れたいのが、探偵と高田がたまり場にしている「ケラーオオハタ」。撮影に使われたのはスタジオに建てたセットだが、マスターを演じていた桝田徳寿はススキノ狸小路にある「SAKE BAR ニューかまえ」のカウンターに立つリアルなバーのマスターなのだ。俳優兼マスターをしている桝田のカクテルを飲めば、探偵気分に浸れちゃう?
撮影された駅や家が保存されている『鉄道員 ぽっぽや』&『幸福の黄色いハンカチ』
直木賞に輝いた浅田次郎の短編を映画化した詩情あふれるヒューマンドラマ『鉄道員 ぽっぽや』(99)。北の果てにある小さな終着駅で、佐藤乙松(高倉健)は鉄道員(ぽっぽや)として生きてきた。ある日、孤独な彼の前に一人の少女(広末涼子)が現れる。
本作に登場する幌舞駅は、JR北海道根室本線の幾寅駅が使われた。撮影当時は無人駅で、駅舎は古びた外観に改装され撮影された。しかし、2016年の台風で被災し幾寅駅を含む一部区間が運休となったことで、そのまま22年に廃駅になった。ただし、駅舎は映画の雰囲気のまま保存され、廃車になったキハ40 764号気動車の一部分も設置されて聖地になっている。
『鉄道員』以外にも「網走番外地」シリーズ、『駅/STATION』(81)など北海道が舞台の映画に数多く出演している高倉健だが、健さん=北海道のイメージを定着させたのが『幸福の黄色いハンカチ』(77)だ。網走刑務所から出所した元炭鉱夫が、偶然出会った若者たちと網走から自宅のある夕張の炭鉱町まで車で旅をする物語。撮影に使われた家は「幸福の黄色いハンカチ想い出ひろば」として、黄色いハンカチののぼりと共に夕張市に保存されている。