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批評家が選ぶ、エマ・ストーンの代表作ランキング!2度のオスカーに輝くトップ女優のキャリアを網羅する“フレッシュ”なおすすめ10選

コラム

批評家が選ぶ、エマ・ストーンの代表作ランキング!2度のオスカーに輝くトップ女優のキャリアを網羅する“フレッシュ”なおすすめ10選

93%フレッシュを獲得した『女王陛下のお気に入り』
93%フレッシュを獲得した『女王陛下のお気に入り』[c]Everett Collection/AFLO

まず注目すべきは、10作品中5本がその年のアカデミー賞で作品賞にノミネートされているいうこと。91%フレッシュを獲得した『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』は作品賞に輝いており、ほかの4本も『ラ・ラ・ランド』と『哀れなるものたち』ではストーン自身が主演女優賞に、『女王陛下のお気に入り』ではオリヴィア・コールマンが主演女優賞に輝き、『ヘルプ 心がつなぐストーリー』ではオクタヴィア・スペンサーが助演女優賞に輝くなど、とにかくストーンの出演作と賞レースの相性が抜群であることがよくわかる。

さて近年のストーンといえば、やはりギリシャ出身の鬼才ヨルゴス・ランティモス監督の作品の“ミューズ”としてのイメージが圧倒的に強いだろう。案の定、最も高い評価を獲得したのはランティモス監督と最初にタッグを組んだ『女王陛下のお気に入り』の93%フレッシュ。同作でストーンは、アン女王に仕えることになる没落貴族の娘アビゲイルを演じている。先述の通りオスカーに輝いたコールマンと、英国を代表する実力派女優レイチェル・ワイズとの3人の熾烈な演技バトルは見応え抜群だ。

【写真を見る】エマ・ストーン出演作で最も評価が高いのは、やっぱりあの人とのタッグ作?
【写真を見る】エマ・ストーン出演作で最も評価が高いのは、やっぱりあの人とのタッグ作?[c]Everett Collection/AFLO

また、長編映画で2度目のタッグとなった『哀れなるものたち』も92%フレッシュという高評価で続いている。こちらでは天才科学者の手によって瀕死の状態から蘇った女性ベラ・バクスターの生き様を、エキセントリックかつ魅力的に体現。ストーンとランティモス監督の黄金タッグは、最新作『憐れみの3章』(公開中)はもちろん、次作として予定されている韓国映画『地球を守れ!』(03)のリメイク『Bugonia』でも継続。今後もこのコンビから目が離せない。

このランティモス監督との2本と、『バードマン』、そして84%フレッシュの『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』は、いずれもサーチライト・ピクチャーズの作品というのも特徴的。また、こうした賞レースで注目を浴びた作品が並ぶなかにキャリア初期に出演したコメディ作品も加わってくるのも興味深いところだ。

『小悪魔はなぜモテる?!』はブレイクのきっかけとなった隠れた傑作!
『小悪魔はなぜモテる?!』はブレイクのきっかけとなった隠れた傑作![c]Everett Collection/AFLO

とりわけ映画デビュー作となった88%フレッシュの『スーパーバッド 童貞ウォーズ』と、85%フレッシュの『小悪魔はなぜモテる?!』は、どちらも日本では劇場未公開でDVDリリースされており、いまでも一部の映画ファンから熱狂的に愛される隠れた傑作。実際にこの2作を観てみれば、当時からストーンの作品選びのセンスが冴え渡っていたことがよくわかるだろう。


近年ではプロデューサーとして活躍しているのも、こうした慧眼の持ち主だからこそ。今回紹介した“フレッシュ”10傑は出演作に限定させてもらったが、『ゾンビランド』で共演したジェシー・アイゼンバーグがメガホンをとったサーチライト作品『リアル・ペイン〜心の旅〜』(2025年公開)は今年1月のサンダンス映画祭でお披露目され、劇場公開前でありながらもすでに91%フレッシュを獲得。また、夏に北米で公開された『I Saw the TV Glow』も84%フレッシュの高評価。近い将来、ストーンが作品賞のオスカーを手にする姿も見られるかもしれない。

文/久保田 和馬

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