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エミリー・ブラント、「音なしの現場はエキサイティング」と語る!「クワイエット・プレイス」ならではの撮影秘話とは

インタビュー

エミリー・ブラント、「音なしの現場はエキサイティング」と語る!「クワイエット・プレイス」ならではの撮影秘話とは

「キャラクター的にも題材的にも、最もパーソナルな映画だと思います」

本作のキーマン、エメット役を演じたのはキリアン・マーフィ
本作のキーマン、エメット役を演じたのはキリアン・マーフィ[c] 2021 Paramount Pictures. All rights reserved.

本作でカギを握るのが、一家が廃工場で出会う謎の生存者エメットだ。演じるのはキリアン・マーフィだが、彼のキャスティングは夫婦で望んだものだったらしい。
「私たちは、キリアンが出演するNetflixのテレビシリーズ『ピーキー・ブラインダーズ』が大好きでした。あの番組を観ていた時、ちょうどジョンが今作のキャラクター、エメット役に誰をキャスティングしようかと考え始めていて、彼が突然『髭をたくわえた彼を想像できるかい?』と私に聞いてきたんです。私が『なんのこと?』と聞き返すと、『キリアンの顔に髭が生えた姿だよ』と言われました。その時、私は彼がなにを言おうとしているのかがわかりました。そう、エメット役は彼がいいとね」。

前作で、夫と息子を失ったエヴリンだが、続編では乳飲み子と子どもたちを抱えてサバイバルに挑むという一層過酷な役どころとなった。エヴリン役についてブラントは「キャラクター的にも題材的にも、最もパーソナルな映画だと思います」と語る。
「前作では、息子やパートナーを失うという、他の映画よりも悲惨な想いをしましたし。そんな大切な人を失った立場の彼女に、さらなる試練が襲いかかるんだから身体的にも大変でした」。

乳飲み子を抱えて逃げるエヴリン
乳飲み子を抱えて逃げるエヴリン[c] 2021 Paramount Pictures. All rights reserved.

また、設定上、音を立てられないから、話さずに表情で演技をすることを強いられるが、その苦労については「とても楽しかったです」と余裕を見せる。
「演技をするうえで、本当にやりがいを感じましたし、音なしの環境で働くことはエキサイティングでした。シーンごとに緊張感が増していくように思えましたが、私たちキャストもスタッフも、そういう環境下の仕事を楽しむことができたとは自負しています」。

「子どもたちとはすばらしい共演者として、仕事をしていました」

子役のミリセント・シモンズやノア・ジュプの役割も大きく、実際、スクリーンには彼らの頼もしい成長が映しだされている。
「私は、自分から進んで演技をしてくれる子どもたちがいてくれて感謝しています。子どもたちがいなければ、この映画も、『メリー・ポピンズ リターンズ』も作れませんでしたから。また、ミリセントとノアには、将来性をすごく感じているんです。でも、私は彼らを子役としては見ていませんし、彼らを子役扱いしたこともなくて、あくまでもすばらしい共演者として、仕事をしていました」。

臆病な性格ながら、家族を守るため勇気を振り絞る長男を演じたノア・ジュプ
臆病な性格ながら、家族を守るため勇気を振り絞る長男を演じたノア・ジュプ[c] 2021 Paramount Pictures. All rights reserved.

また、聴覚障害を持つミリセントについては「通常ならば、耳が聞こえないために、制限された環境で仕事をすることがあるけれど、ミリセントは前作、そして今作でも秘密兵器のような存在でいてくれました。彼女は、並外れた才能を披露しただけでなく、観る者をすごく引き付けてくれました。また、彼女は撮影中に、耳が聞こえないことが、家族の絆にどのように影響するかも教えてくれたんです」とミリセントに感謝する。

さらに「おそらく彼女は前作でも今作でも、女優としての大きなチャンスだと思っていたはず。なぜなら、彼女は耳が聞こえないという事実は、彼女自身の勇気とキャラクターを演じる能力に通ずるものでしたから。彼女は本当に大胆になったと思います。また、ミリセントとノアにはすばらしいご両親がいるので、彼らの将来に関しては全く心配していないです」。

ミリセントの才能も絶賛したブラント
ミリセントの才能も絶賛したブラント[c] 2021 Paramount Pictures. All rights reserved.

続編は、前作のサバイバルホラーとしての要素を踏襲しつつ、たくましくなった子どもたちの活躍にもスポットが当てられる。より苦戦を強いられるなかで、エヴリンや子どもたちはそれぞれに知恵を絞り、様々な攻略法を生み出そうとするのだ。また、キーマンとなるエメットの存在は吉と出るのか、それとも凶と出るのか!?演出面も含め、大いにスケールアップした本作を、ぜひ大きなスクリーンで体感してほしい。

文/山崎伸子

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