ジェームズ・ボンドのトリビアが満載!「007」シリーズを楽しむ25のキーワード
【21】ケン・アダム(美術監督)
シリーズの大きな見せ場のひとつと言えば、クライマックスの敵秘密基地でのバトル。近未来的でありながらリアリズムも持つ独特のセンスで「007」の世界観を作ってきたのが美術監督のケン・アダムで、彼は7作を担当した。巨大でありながら細部までこだわったセットは、『スター・ウォーズ』(77)など後の作品にも大きな影響を与えている。『私を愛したスパイ』のタンカー基地のセットは、当時世界最大といわれた。
【22】パインウッド・スタジオ
1936年に開設された老舗の映画撮影スタジオで、ここを世界的に有名にしたのが「007」シリーズ。敷地内にある最大のステージは“007”ステージと呼ばれおり、『スカイフォール』の地下鉄事故のシーンもここで撮影された。「スター・ウォーズ」シリーズもこのスタジオで撮影されており、同時期に撮影が行われた『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(15)にクレイグがストームトルーパーとしてカメオ出演して話題となった。
【23】ジェームズ・ボンドのテーマ
「007」を象徴する曲だが、作曲はジョン・バリーではなくモンティ・ノーマン。『ドクター・ノオ』の音楽を担当したノーマンは、製作側が気に入るテーマを書けず、製作側の依頼を受けたジョン・バリーがノーマンのインド調の曲「Good Sign, Bad Sign」のAメロ2小節からギターのリフ(短旋律)をつくり、残り部分を作曲した。
【24】ジェームズ・ボンドの年齢
原作者のフレミングは、30代半ばから後半で歳はとらないとしたが、原作「ムーンレイカー」で1917年あたりに生まれた37歳という記述がある。ボンドの伝記作家ジョン・ピアソンは考証のうえ、1920年11月11日と設定。映画版では『カジノ・ロワイヤル』から誕生日は4月13日で、生年は俳優に準じるとした。ダニエル・クレイグは1968年生まれなので、クレイグ版ボンドは現在53歳となる。
【25】主題歌
新作の発表があると話題となるのが“主題歌は誰か?”「007」の主題歌を歌うのはそれだけでステイタスであり、自ら売り込む大物ミュージシャンもいるほど。『ユア・アイズ・オンリー』までは歌詞に映画のタイトルを入れるのが決まりだったため、『女王陛下の007』ではタイトルが入れられずインスト曲に変更。『サンダーボール作戦』では用意された曲がボツになり、急遽作られた「Thunderball」を大物歌手のトム・ジョーンズが歌うことになったが、キーが合わずに無理に高音で歌ったため酸欠で失神した。
公開が迫る最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』では、この25のキーワードがどのようなかたちで登場し、活かされているのか。最新作の物語は、“00エージェント”を退きジャマイカで静かに暮らしていたボンドの前にCIAの旧友フィリックスが助けを求めにやってくることから幕を開ける。ボンドに与えられた新たな任務は誘拐された科学者の救出。それは想像を遥かに超えた危険なものとなり、やがてボンドは凶悪な最新技術を備えた謎の黒幕を追うことに…。もしかすると今後のシリーズで重要となる26個目のキーワードが誕生するかも!?
ついにファンの元に届けられる、クレイグ版ボンドの“有終の美”。残り半月の間で過去作をおさらいし、是非とも劇場の大スクリーンでその勇姿を見届けてほしい!
文/竹之内 円 構成/久保田 和馬