『エクソシスト』『スター・ウォーズ』『ターミネーター2』…レジェンドが生みだした名クリーチャーたち

コラム

『エクソシスト』『スター・ウォーズ』『ターミネーター2』…レジェンドが生みだした名クリーチャーたち

『スター・ウォーズ』『キング・コング』…古くから重要だったストップモーション撮影

トーントーンなどユニークなクリーチャーのオンパレードだ(『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』)
トーントーンなどユニークなクリーチャーのオンパレードだ(『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』)[c]20th Century Fox/courtesy Everett Collection

カンティーナの酒場のシーンで登場する宇宙人の多くをリック・ベイカーが手掛けたという(『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』)
カンティーナの酒場のシーンで登場する宇宙人の多くをリック・ベイカーが手掛けたという(『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』)[c]LucasFilm Ltd./Courtesy Everett Collection

クリーチャー・デザイナーズ ハリウッド特殊効果の魔術師たち』では、具体例を出しながら、様々な技法にまつわる特撮の進化を追っていく。多くの名作のなかでも重要作として名前が出てくるのが『スター・ウォーズ』だ。ベイカーがマスクを製作したカンティーナの酒場に集まる個性豊かなルックスをした宇宙人たちをはじめとするトピックが登場する。

フィル・ティペットら著名アーティストたちが多数登場する(『クリーチャー・デザイナーズ ハリウッド特殊効果の魔術師たち』)
フィル・ティペットら著名アーティストたちが多数登場する(『クリーチャー・デザイナーズ ハリウッド特殊効果の魔術師たち』)[c] FRENETICARTS 2015

なかでもフィル・ティペット、デニス・ミューレンといったそうそうたるアーティストたちが口にするのがストップモーション撮影について。ジャバ・ザ・ハットの宮殿のランコアは一度着ぐるみでの撮影が検討されていたことなど、名シーンの裏側が明らかになっていく。

【写真を見る】ED-209、T-1000、ラプトル、バグズ…映画史を彩ったキャラクターが勢ぞろい!
【写真を見る】ED-209、T-1000、ラプトル、バグズ…映画史を彩ったキャラクターが勢ぞろい![c]Lucasfilm Ltd./courtesy Everett Collection

このコマ撮りについては『スター・ウォーズ』以外にも『ロボコップ』のED-209のシーン、『キング・コング』(33)やレイ・ハリーハウゼンが手掛けた『シンバッド 七回目の航海』(58)といった有名作の名も次々と挙げられており、古くから重要な技術だったことが示されていく。

『ロボコップ』のED-209のかわいらしい動きもストップモーションで表現されている
『ロボコップ』のED-209のかわいらしい動きもストップモーションで表現されている[c] Orion/courtesy Everett Collection

ストップモーション撮影の巨匠として名前が挙げられるのがレイ・ハリーハウゼン(『シンバッド七回目の航海』)
ストップモーション撮影の巨匠として名前が挙げられるのがレイ・ハリーハウゼン(『シンバッド七回目の航海』)[c]Everett Collection/AFLO

あらゆる特撮技術が詰まった『ターミネーター2』、そしてCG全盛へ

『エイリアン』での着ぐるみ撮影の苦労も語られる
『エイリアン』での着ぐるみ撮影の苦労も語られる[c] 20th Century Fox Film Corp. All rights reserved.

アニマトロニクスで恐竜たちを浮かび上がらせた『ジュラシック・パーク』
アニマトロニクスで恐竜たちを浮かび上がらせた『ジュラシック・パーク』[c]Everett Collection/AFLO

着ぐるみで撮影された『プレデター』(87)や『エイリアン』(79)、アニマトロニクスを活用した『ジュラシック・パーク』(93)、CG黎明期の『アビス』(89)、モーションキャプチャーが用いられた「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズと、多くの作品やキャラクターの名前が次々と出てくるなか、あらゆる特撮技術が使われている作品としてスポットを当てられているのが『ターミネーター2』(91)だ。

CGに思えるシーンがCGじゃなかったりと特撮のおもしろみが詰まっている『ターミネーター2』
CGに思えるシーンがCGじゃなかったりと特撮のおもしろみが詰まっている『ターミネーター2』[c]Everett Collection/AFLO

モーフィングによって再現されているT-1000の質感(『ターミネーター2』)
モーフィングによって再現されているT-1000の質感(『ターミネーター2』)[c]Everett Collection/AFLO

CGをフル活用しT-1000の金属感を表現したかと思えば、T-1000が凍って砕け散る描写が実は特殊効果で表現されていたり、あらゆる技術を融合した作品だと、ミューレンやマット・ウィンストン、ジョン・ローゼングラントらが証言。明かされる事実に驚かされてしまうことだろう。

1925年の『ロスト・ワールド』などクラシックな作品も多数登場する
1925年の『ロスト・ワールド』などクラシックな作品も多数登場する[c]Everett Collection/AFLO

『ゴジラ』(54)や『ロスト・ワールド』(25)といったクラシックから、『スターシップ・トゥルーパーズ』(97)や『スパイダーマン2』(04)、『パシフィック・リム』(13)といった近年の作品までに触れ、デジタル技術がもたらしたものについてなど、ありとあらゆる特撮にまつわる話がてんこ盛りの本作。

『クリーチャー・デザイナーズ ハリウッド特殊効果の魔術師たち』は公開中
『クリーチャー・デザイナーズ ハリウッド特殊効果の魔術師たち』は公開中[c] FRENETICARTS 2015

CG全盛となったいまなお、まったく輝きを失わない名クリーチャーたちにはどんな誕生の背景があったのか。本作でその裏側知れば、彼らをもっと好きになるはずだ。

文/サンクレイオ翼

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