「007」と並ぶ伝説の英国スパイが復活!イッキ見推奨のドラマシリーズ「ハリー・パーマー 国際諜報局」の魅力に迫る
映画顔負けのスケール感に、ドラマシリーズだからこそ可能となったバックグラウンドの描写
この伝説のスパイ小説を21世紀によみがえらせたのは、『トレインスポッティング』(96)で英国アカデミー賞脚色賞を受賞したジョン・ホッジと、『ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館』(12)などで知られるジェームズ・ワトキンス監督ら、イギリス映画界を代表するクリエイター陣だ。
以前の映画版シリーズでは描かれなかった、ハリーがかつて朝鮮戦争に従軍していたことや離婚を望む妻がいること、軍法違反行為で投獄されるまでのエピソードなどのバックグラウンドが詳細に描かれ、人物描写に深みが与えられているのは全6話で展開するドラマシリーズだからこそできること。また、ベルリンの壁やベイルート、フィンランドなど世界各地を股にかけた映画顔負けのスケール感も必見。ドラマシリーズと映画、両方のよさを兼ね備えたことで、本作の魅力が存分に高められているといえよう。
主人公のハリー・パーマー役を演じるのは、キリアン・マーフィー主演の人気ドラマシリーズ「ピーキー・ブラインダーズ」などに出演する注目の俳優ジョー・コール。「ハリーは一緒にいて楽しめる男です。多様な世界で、みんなが深みのある豊かな人間性を持っています」と、本作の魅力を語るコールは「伝説的なスパイヒーローであるハリー・パーマーを演じることができて、とても幸運に思っています。本当に特別な仕事でした」と往年の名スパイを演じた喜びを述懐。
また、映画版では単なる助手に過ぎなかったが本作では優秀な女性スパイとして描かれるジーン役には、『シング・ストリート 未来へのうた』(16)や『ボヘミアン・ラプソディ』(19)のルーシー・ボイントン。上司のドルビー役には『キングスマン:ファースト・エージェント』(21)のトム・ホランダー、CIAエージェントのマドックス役にはドラマシリーズ「ゼム」のアシュリー・トーマスと、イギリスの人気俳優たちが一堂に集結。
イギリス本国のITVで3月に放送が開始される前から、日本やアメリカ、オーストラリア、香港など世界各国で放送・配信が決定するほど大きな注目を集めている本作。製作総指揮に名を連ねるウィル・クラークは、原作の「ハリー・パーマー」シリーズのほかの3作品のドラマ化権とキャラクター権をすでに取得していることを明かしており、今後続編シリーズが製作される可能性も充分だ。
幾多の名作が生まれたスパイ映画・スパイドラマの歴史に新たな1ページを刻むであろうドラマシリーズ「ハリー・パーマー 国際諜報局」。全6話を一気に観られるこのタイミングに、今後大きな注目を集めること間違いなしの本作を先取りしてみてはいかがだろうか。
文/久保田 和馬