「『ハリポタ』を彷彿」「ソーは家庭に入れない?」MCU知識皆無×ガチファンで『ソー:ラブ&サンダー』女子会してみた
「こんなにアカデミー俳優たちが集結するアメコミ映画、ありますか?」(別所)
別所「あとはなにより…こんなにアカデミー賞受賞歴のある名優たちが集結するアメコミ映画、ありますか?ポートマンにクリスチャン・ベール、ラッセル・クロウ…。特にクロウが演じるゼウスのキャラの濃さが凄まじいなと(笑)」
阿部「ふくよかな体型と相まって、コミカルなキャラクターが完成されていましたよね。説得力を感じるというか」
魚田「衣装も動きもかわいいけど、しっかり恐ろしさもありました」
別所「おちゃらけている一方で、神様としての威厳もしっかりあって、さすがの演技力だなと思いました。ベール演じるゴアの狂気もインパクトが強すぎる。やりすぎなくらいの演技をして、カットされたシーンもあるそうですね」
阿部「まずビジュアルに惹きつけられます。ヴィランの怖さというよりは、何者かわからない不気味さを感じて。魚田さんが言うように、ヴォルデモートに近しい怖さがあるかもしれません」
別所「それなのに、親としての深い愛情を持っている。その二面性を丁寧に演じ分けられているところはオスカー俳優だからこそなんだろうなと。実力のある俳優陣が集結してMCUの世界を創り上げているんだなと思わされました」
阿部「ほかにも、『バトルロイヤル』から引き続き、クリス・ヘムズワースの実の兄であるルーク・ヘムズワースがソー、マット・デイモンがロキ、サム・ニールが兄弟の父オーディン、さらにメリッサ・マッカーシーがヘラ役を演じる劇中劇もありましたね(笑)。ああいうカメオ出演も楽しいです」
魚田「やっぱりあれはマット・デイモンだったんですね!“リアル兄弟”まで出ているなんて(笑)」
阿部「今回は劇のあとにも一瞬だけセリフを発するシーンがあって、少しだけ出演シーンが増えていました(笑)」
別所「あの劇も、 (ソーが使用する武器の)ムジョルニアがなぜ壊れたのかを簡潔に説明してくれるので、『バトルロイヤル』未見の人に親切ですよね。それにしてもすごくいい意味で俳優の無駄遣い(笑)」
魚田「ムジョルニアってあのハンマーみたいな武器のことですよね?ソーと話しているようなシーンが何度もあったけど、生きているんですか?斧(=ストームブレイカー)にも感情があるみたいだったし」
別所「今回は擬人化具合が強かったですね(笑)。ムジョルニアは『アーサー王伝説』とかに出てくるエクスカリバー的な立ち位置だと思うけど、なんでソーと意思疎通ができるかまではちょっとわからない…」
阿部「お話をカメオ出演に戻すと、クリスの家族からはお兄さんだけではなく、実の娘であるインディア・ローズ・ヘムズワースもゴアの娘、ラブ役で出演しているんですよ」
別所&魚田「そうだったんだ!」
阿部「さらに、序盤の回想シーンで確認できるソーと過去に関係を持っていたオオカミ女はクリスの実の妻であるエルサ・パタキですし、もはや家族映画ですよね(笑)。キャスト陣を見るだけでも家族の仲の良さを感じられます」
魚田「そういうのを発見していくのもおもしろいポイントの一つかもしれませんね」
「『ラブ&サンダー』のソーは神様ということを忘れてしまうほど人間臭かった」(魚田)
別所「小ネタを探すだけでも飽きないよね。『ラブ&サンダー』は親子愛や恋愛などいろいろな愛が描かれているし、バトルシーンは迫力があるし、モノクロの影の星に象徴されるような映像的な表現の広がりも感じるし、効果的に音楽も使われているし…と、いろんな魅力が詰まっている作品だと思います。魚田さんはこれを機に、ほかのシリーズを観ようという気持ちになった?」
魚田「今回登場したキャラクターが出ている作品は観てみたいなと思いました。それこそ、ソーと一緒に戦っていた女性と岩の人は誰?という感じだったので…。その場合はなにを観たらいいのでしょうか?私みたいにいままでMCUを観ていない人からすると、興味はあってもなにから観始めたらいいのかがわからないんですよね」
阿部「ヴァルキリーとコーグは『バトルロイヤル』から登場するキャラクターなので、まずはここからですかね。あと、ソーとジェーンの馴れ初めを知りたいなら第1作の『マイティ・ソー』と『ダーク・ワールド』を観たほうがいいんだけど、この2本の監督はワイティティではなくシェイクスピア作品で有名なケネス・ブラナーなので、かなりテイストが異なることだけは事前にお伝えしておきます!」
魚田「そうなんですね」
阿部「ワイティティ版のソーはちょっとおバカでコミカルなんだけど、ブラナー版は神様然とした傲慢さと優しさが前面にあるキャラクターなので、違いに驚くかもしれません。ただ、その違いを楽しむのもアリだと思います!」
魚田「『ラブ&サンダー』のソーは神様ということを忘れてしまうほど人間臭かったので、神様っぽい時もあったのかと思うと意外です。冒頭では太っていたので、一人でブートキャンプをしていましたし(笑)」
別所「本当に人間らしいよね!いまのソーは“会いに行ける神様”というイメージがあって、すごく好感が持てる(笑)」
阿部「AKBみたい(笑)。続編があれば、観に行きたいと思いましたか?」
魚田「キャラクターたちのその後が気になりますし、“あのポストクレジットシーン”が意味深だったので、観たいと思いました!」
取材・文/阿部裕華