『アバター』最新作に絶対の自信。ジェームズ・キャメロン&キャストが公開目前の心境を語る「1000人超のすべてのスタッフを誇りに思う」
「よく理解できなかったネイティリのことが、親になりわかるようになりました」(サルダナ)
一方、ネイティリを演じたサルダナは「恐怖でした」と、続編に対する想いを率直に吐露した。ネイティリ同様、やはり子どもを持ったことで見える世界が変わったのだという。「ネイティリと私は、ある意味パラレルの人生を歩んできたようなものでした。自分にそっくりな他人が目の前にいるような感じです。私が持っている大胆不敵さと反骨精神は、ネイティリにも備わっています。だから同類とみなすことができます。ですが、彼女は自分が住む世界の外側にいる人に恋をしたことで、いままで見えていなかったものに気づくようになります。それが常に、彼女のジレンマでした。恋に身を任せ前進し、愛の結晶を授かることは、彼女にとって挑戦でもあります。かつて憎むべき存在として教えられてきた者を愛し、大人になっていくことは、とても大変なことです。そして、恐怖です。個人的に、親になった時に恐怖心が芽生えました。愛する存在を失うかもしれないという恐怖。ありえないようなことを心配してしまうようになります。最初に2作目の脚本を読んだ時はよく理解できなかったネイティリのことが、親になりわかるようになりました」。
それを受けて、キャメロン監督が「親になる前は恐れ知らずでも、子どもができると恐怖を覚えるようになる。自分自身を失うよりも、怖いことがあると知るから。それが、ゾーイとサムのキャラクターが抱えている感情でした。サムは、パラシュートなしでレオノプリテクスから地球上で最も巨大で卑劣なプレデターの土地に降り立ち、問題を解決させようとするキャラクターを演じています。実際に3児の父親である彼はそんなことをするでしょうか?私はしないと思いますが(笑)」と述べる。
ワーシントンは「それを子どもに見習ってほしくもないですね(笑)」とジョークで返し、前作とは異なり父親役を演じるうえでの葛藤について語った。「前作でジェイクが言っているように、彼はネイティリへの愛を知り、文化への愛、地球への愛へと開眼しました。家族を持つということは、彼らを取り巻く愛と世界と文化を守ろうとする、シンプルなことです。ジェイクの旅は常に、自分がこの世界のどこに属すのかを探し、そして戦うに値するものを見つけることを、並行して行ってきました。そして、彼らの10代の子どもたちも、同じような旅を経験しています。10代の少年たちは居場所を失い、多くのティーンエイジャーと同じように、世界の中での自分の居場所を見つけようとしています。残念ながら、ジェイクはまだ、悩める子どもたちにどう手を差し伸べるか学んでいるところですが」。
「なによりも引き込まれたのは、彼が作り上げたキャラクターです」(ウィンスレット)
本作の最大のサプライズであり最大の期待は、キャメロン監督の盟友とも言えるケイト・ウィンスレットの参加だ。『タイタニック』(97)で映画史に残るような作品をつくった2人が再びタッグを組む。
参加の理由を問われたウィンスレットは「ジム(ジェームズ・キャメロン)にはすべてにおいて、最高のものを期待していました。精巧で綿密で、徹底されたものを。でもなによりも引き込まれたのは、彼が作り上げたキャラクターです。ジムはいつでも、女性のための役を描いてきました。強いだけでなく、誠実で真実を追求する、独自の力を持ったリーダーの姿です。ジムが立派な力を持つ役をオファーしてくれたのは、とてもうれしかった。ジムはとても賢いので、私が『あら、この役を私が演じられると思っているの?できるかどうかやってみましょうか…』などと愚鈍な返答をしないと知っています。もちろん、期待値を下げることもしません。だからとてもうれしかったんです」と、二つ返事で参加を決めたことを告白した。そして、キャメロン監督の脚本と演出に絶大な信頼を寄せる。「ゾーイとサムは、『アバター』に命を吹き込んでくれました。ほかでもないジムが脚本を書くということは、キャラクターに命を吹き込み、本物の血を注入し脈を打たせることです。本当に最高でした。彼らが築き上げた空間に足を踏み入れると、なにもない場所だとしても、真実と関係性と脈動が詰まっています。その一部になれたことは、正直言ってとても特別なことでした」。