最強のライバルは誰だ!アポロ、ドラゴ親子…ロッキー&アドニスが闘ってきた8人の“強敵”

コラム

最強のライバルは誰だ!アポロ、ドラゴ親子…ロッキー&アドニスが闘ってきた8人の“強敵”

『ロッキー4 炎の友情』イワン・ドラゴ

5年ぶりにカムバックを図ろうとしたアポロは、ソ連からやってきたアマチュア・ヘビー級王者のイワン・ドラゴ(ドルフ・ラングレン)とのエキシビジョン・マッチに名乗りをあげる。しかし“殺人マシーン”の異名を持つドラゴは、アポロに容赦無くパンチを浴びせていく。セコンドについたロッキーは、ボロボロになりながらも立ちあがろうとするアポロの姿にかつての自分自身を重ね、なかなかタオルを投げ入れられない。そしてアポロは、そのまま命を落としてしまう。

亡き友の無念を晴らすため、そしてボクシングが殺し合いの道具ではなくスポーツであることを証明するため、ソ連へと乗り込むロッキー。完全アウェーの会場で、ドラゴとの激闘を繰り広げる。試合後のロッキーのスピーチは、胸を熱くせずにはいられない。そしてこの『ロッキー4 炎の友情』(85)で描かれた闘いは、『クリード 炎の宿敵』(18)に直接的に繋がっていく。


『ロッキー5 最後のドラマ』トミー・“マシーン”・ガン

帰国したロッキーは、ドラゴとの試合で負ったダメージから引退を決意。エイドリアンや息子のロッキーJr.(セイジ・スタローン)と共にスラム街に舞い戻った彼は、ミッキーのジムで優れた素質を持つ若者トミー・“マシーン”・ガン(トミー・モリソン)と出会う。これまでの経験を活かしてトミーを育てようとするロッキー。ところが豪腕のプロモーターに引き抜かれたトミーはロッキーと決別。やがてチャンピオンとなったトミーは、師であるロッキーに戦いを挑むのだ。

ロッキー5 最後のドラマ』(90)で描かれた“師弟対決”の舞台はリングの上ではなくストリート。かつてスラム街で地べたを這いつくばっていたロッキーの原点を思い起こさせるような展開は、これまでのシリーズの流れとは一線を画す。そして『ロッキー』から14年続いた物語が、終止符を打たれることになった。ちなみにトミー役を演じたトミー・モリソンは、当時現役のプロボクサー。本作の数年後にWBO世界ヘビー級のタイトルを獲得した。

『ロッキー・ザ・ファイナル』メイソン・ディクソン

前作から16年ぶり、シリーズ第1作からちょうど30年を迎えた年に作られた『ロッキー・ザ・ファイナル』(06)は、その名の通り正真正銘のシリーズ完結編。エイドリアンを亡くし、Jr.ともポーリー(バート・ヤング)とも距離を置き、レストランのオーナーとして孤独に暮らしていたロッキーは、一念発起してプロライセンスを再取得。それを知った現役ヘビー級王者のメイソン・ディクソン(アントニオ・ターヴァー)が、人気回復を目論みエキシビジョンマッチを申し込んでくる。

ディクソン役のアントニオ・ターヴァーはプロデビューから16連勝を飾り、WBCなど複数の団体でライトヘビー級王者のタイトルを獲得してきた正真正銘のチャンピオン。劇中ではロッキーと同じヘビー級のボクサーを演じている。スタローン自身も撮影当時60歳目前。肉体派スターと謳われてきたスタローンの真骨頂を味わうと同時に、ドラマ性の高いストーリーで、彼の俳優としての新たな一面を味わうことができる。

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