安藤サクラ&山田涼介が大阪の観客からの質問に直接回答!山田がNG連発の理由は「自分を見失っていたのかも…」
直木賞作家の黒川博行による小説「勁草」を、『検察側の罪人』(18)などで知られる原田眞人監督が安藤サクラと山田涼介の共演で映画化した『BAD LANDS バッド・ランズ』(公開中)。本作の公開記念舞台挨拶in大阪が10月7日、大阪・梅田のT・ジョイ梅田にて開催。安藤と山田、原田監督と原作者の黒川が登壇した。
本作は、特殊詐欺を生業として生きるネリ(安藤)と、その弟のジョー(山田涼介)に様々な巨悪が迫る様を描いたクライムサスペンス。NPO法人の理事長という表の顔を持つ高城(生瀬勝久)のもとで特殊詐欺グループの受け子たちのリーダーを務めるネリ。そんな彼女のもとに、刑務所を出所したばかりで頼るあてもない弟ジョーがやってくる。そして2人はある夜、思いがけず“億を超える大金”を手にしてしまうことに…。
上映後の熱気冷めやらぬ会場に登壇者たちが姿を現すと、割れんばかりの大きな拍手が巻き起こる。映画公開後、周囲からの反響について訊かれた安藤は「昨日も商店街で女性から『観ました!』と声をかけられました」と明かす。一方、山田も「関西出身の方から、『大阪のあんな場所で撮影したんだね』とか『関西弁まったく問題なかったよ』と言っていただけて、『安藤さんも山田くんもめっちゃ頑張ったでしょ』と言われたのが本当にうれしかったです」と満面の笑み。
また、黒川は「原田監督に映画を作っていただけると聞いて、一も二もなく賛成しました。この映画もよくできています。おもしろいです。とてもうれしいです」と映画化の喜びを噛みしめる。それを受けて原田監督も「やはり原作が、映画人を惹きつける作品ですよね」と互いに称え合っていた。
今回の舞台挨拶では、観客が作品の感想や気になることをキャスト&監督に直接ぶつけるスペシャルトークコーナーが実施。大勢が挙手するなか、早速飛びだしたのは「特殊詐欺をテーマにした映画ですが、騙されかけたことはありますか?」という質問。すると安藤は「実家にオレオレ詐欺の電話がかかってきたんです!」と告白。「でも警察に電話したんで。うちにかけてきても騙されません!そんなつもりでかけてきても、うちの実家は騙されません!」と、劇中のネリとは真反対の言葉でアピール。
次に「思い入れのあるシーンや、こんなことがあったというエピソードが聞きたい」という質問が寄せられ、「いっぱいあるので選ぶのが難しいのですが…」と呟く安藤。「小道具のビンを割っちゃったんです。もう一回撮り直して、割らないのも撮ったんですけど、映画だと割ったのが使われてて、割って良かったなと思いました」と、原田組には間違えてもカットがかかるまで演技を続けなくてはいけないルールがあることを明かす。すると原田監督は「ルールを守れなかったのは宇崎(竜童)さんだけです」と暴露し爆笑を誘う。
さらに山田が、ネリとジョーが詐欺を働くシーンを挙げて「あのシーンが一番緊張してたんです。関西弁もセリフも難しいし、何度か噛んだり、厳しいルールもあってドキドキしちゃって。何度かNGも出して…」と当時の心境を明かす。そこで安藤は「あれお正月だったじゃん?年明けの最初みたいな。ほら、お正月はいっぱい歌って踊ってたから」と茶々を入れ、山田はすかさず「ちょっとアイドルのほうが…自分を見失っていたのかもしれないですね」と苦笑い。“姉弟”の息の合った掛け合いを見せつけ、会場を沸かせていた。
文/久保田 和馬