「真田広之のたどり着いた地平に祝福の気持ちが溢れた」日本のクリエイター陣が「SHOGUN 将軍」へ贈る、惜しみない称賛の声
クリエイターたちのコメント全文
●犬童一心(映画監督)
「真田演じる虎永の大義、欲望にまみれ、愛に堕ち、神に問うて生きる日本人の群像。たどり着いた新天地を切り開こうとあがく異邦人のパッション。戦国の時代、死を隣に置いてこその生の輝きが果てしないスケールで描かれる。同時代を生きた者として、我らが真田広之のたどり着いた地平に、感動と同時に祝福の気持ちが溢れた」
●入江悠(映画監督)
「日本の時代劇全盛期は遠くなりにけり。いまは時代劇の技術伝承が加速度的に失われつつある。重厚でスケールの大きな時代劇を作るのは今後さらに大変になるだろう。そんななか、真田広之さんが主演とプロデュースを兼ねた本作のような本格時代劇の登場はとてもうれしい。丁寧な時代劇所作と考証に支えられた俳優たちの演技合戦も見ごたえ十分。この連続時代劇の幕がどこで引かれるか最後まで見届けたい」
●上田慎一郎(映画監督)
「これはすごい。演技、映像、美術、音楽、すべてが圧巻。いままで自分が持っていた“日本の時代劇”のイメージを見事に覆された。内から見た日本、外から見た日本。それらが圧倒的なリアリティをもって描かれる。長年ハリウッドで活動してきた真田広之さんがいたからこそ創ることができた唯一無二の時代劇だ」
●小島秀夫(ゲームクリエイター)
「42年前、ボクらが熱中したあの『将軍(Shōgun)』が、“按針さん”が帰ってきた。スケール、ディテー ル、キャスト、衣装、セット、小道具、VFX、どれをとっても超弩級。17世紀日本を舞台にした『ゲーム・オブ・スローンズ』と評しても過言ではない。史実より、原作に忠実だが、原作(オリジナ ル)を知らない人も、その魅力の虜になるだろう。三船敏郎に代わる虎永役の真田広之の存在も一役買っている。怪しげな“舶来品”ではない。このドラマは、ハリウッドが“和”を積んだ、日本映画界の未来を写す“黒船”となる」
●和田竜(作家)
「戦国末期の権謀術数の真っただ中に突進していくジョン・ブラックソーン(三浦按針)。彼の眼を通して描かれる戦国武者どもは残虐非道である。当時の外国人にはこんな風に見えたに違いない。その対極にあるのが虎永(=徳川家康)。通常、認識されるのとは真逆の人物像だが、実はこんな人だったのかもしれない。家康が織田信長のごとく海外の見聞を積極的に仕入れようとしていたのは案外知られていないが、『徳川実記』にあることである。外連に富んで、娯楽に徹していたかつての歴史時代物が、驚異の映像とともに蘇った。戦国末期の権謀術数、戦国武士の残虐さ、清らかさ。プロテスタントとカソリックの対立と、その渦に巻き込まれる武士たち。そして複雑怪奇な戦国女性の数々。どの視点に立とうが引き込まれる」
構成・文/神武団四郎