A24、ブラムハウスだけじゃない!急成長の映画スタジオ「NEON」に注目
パルム・ドール受賞作を4作連続で配給
このようにNEONは自社製作だけでなく、配給事業にも力を入れているのだが、特にヨーロッパやアジアといった“非英語圏”の配給に関しては米国で一頭地を抜く存在となっている。とりわけ業界を驚愕させているのは、カンヌ国際映画祭のパルムドール受賞作、『パラサイト 半地下の家族』(19)、『TITANE/チタン』(21)、『逆転のトライアングル』(22)、『落下の解剖学』(23)の米国配給権を4年連続で獲得していること。A24がオリジナルグッズの販売など自社ブランド力の強化に重きを置いているのに対し、NEONは世界中の多様な映画の紹介という点にミッションを置いており、より玄人筋やコア層の評価が集まっているのだ。
このほか、おもな作品をざっと並べてみると、セリーヌ・シアマ監督の『燃ゆる女の肖像』(19)やアリ・アッバシ監督の『ボーダー 二つの世界』(18)、ヨアキム・トリアー監督の『わたしは最悪。』(21)、アピチャッポン・ウィーラセタクン監督の『MEMORIA メモリア』(21)、アレハンドロ・ランデス監督の『MONOS 猿と呼ばれし者たち』(19)、ヴィクトル・コサコフスキー監督の『GUNDA/グンダ』(20)、是枝裕和監督の『ベイビー・ブローカー』(22)等々、まさに現代映画の最先端の地図が描けてしまうラインナップがそろう。
いま世界を代表する刺激的な映画を観たいのなら、NEONの動向やセレクトに要注目!ということなのだ。
文/森直人
作品情報へ