『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』がシリーズ新記録まであと3億5000万円!“リピーター戦略”大成功のアニメ映画が上位を席巻|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』がシリーズ新記録まであと3億5000万円!“リピーター戦略”大成功のアニメ映画が上位を席巻

コラム

『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』がシリーズ新記録まであと3億5000万円!“リピーター戦略”大成功のアニメ映画が上位を席巻

5月17日から5月19日までの全国映画動員ランキングが発表。5月後半に入っても勢いが衰えない『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』(公開中)が今週も首位をキープし、6週連続No. 1を達成。これで累計成績は動員943万人、興収135億3000万円に到達し、前作『名探偵コナン 黒鉄の魚影』(23)が打ち立てたシリーズ最高興収138億8000万円まであとわずかまで迫ってきた。

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前作超え&シリーズ初の動員1000万人超えも見えてきた!
前作超え&シリーズ初の動員1000万人超えも見えてきた![c]2024 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

この週末3日間の『100万ドルの五稜星』の成績は、動員27万8000人、興収4億800万円。ゴールデンウィーク後半のブーストから大幅な下落に見舞われた前週と比較すると、動員・興収共に76%の数字をキープ。『黒鉄の魚影』は6週目末から上映終了までに動員では約150万人、興収では約20億円をほど積み上げている。それに倣えば今作は、以前からの見立て通り155億円前後の興収に落ち着くことだろう。現時点で日本歴代興収ランキングでは22位。15位以内には確実に上がってくるはずだ。

「名探偵コナン」シリーズも然り、いまや日本の映画興行における国産アニメ映画の強さはあらためて語るまでもないほど盤石なもの。今週の上位10作品のうち半分の5作品が国産アニメ映画であるが、それ自体は近年の動員ランキングでは珍しいことではない。しかしその5作品のうち3作品は、公開からすでに3ヵ月以上が経過しており、それぞれ異なる理由で前週からランクを急上昇させている。

『劇場版ハイキュー!!』が一気に2位に急浮上!
『劇場版ハイキュー!!』が一気に2位に急浮上![c]2024「ハイキュー!!」製作委員会 [c]古舘春一/集英社

まずは公開14週目を迎え、前週の9位から一気に2位まで上がってきた『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』(公開中)。この週末3日間の成績は動員14万1000人、興収2億1300万円と、ここにきて春休み最終週の週末とほぼ同じだけの数字を叩きだしている。その後押しとなったのは、“最後の入場者プレゼント”として5月18日から配布された「ハイキュー!!33.5巻 もう一回!」小冊子だろう。

第1弾入場者プレゼントとして配布された小冊子のカバー違いであり、カバー以外の内容に変更がないにもかかわらず、熱心なファンを多数劇場に呼び戻すことに成功したのはとても興味深い。その効果もあって累計成績では動員746万人、興収106億9000万円を突破。こちらも歴代興収ランキングで41位まで順位を上げており、月末に控えた北米公開にも弾みが付きそうだ。

いよいよフィナーレを迎える『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』がトップテン返り咲き
いよいよフィナーレを迎える『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』がトップテン返り咲き[c]創通・サンライズ

また4週ぶりにトップテン圏内に返り咲き、8位となったのは『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』(公開中)は公開17週目。いよいよ全国規模での上映が5月23日(木)をもって終了となることにあわせ、この週末にはフィナーレ舞台挨拶とその全国生中継が実施され、最後にひと伸びを見せた格好に。5月18日の時点で、動員は280万人、興収は47億円を突破したとのこと。


そして10位には、『劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD』(公開中)が公開から1年が経つことを記念して“1周年ウィーク”を開催し、“千秋楽ウィーク”だった昨年9月以来のトップテン入り。入場者プレゼントやアフタートーク付き上映などの企画に加え、6月8日(土)と6月9日(日)には1周年記念スペシャル上映会の開催も決定。累計成績では動員170万人、興収30億円を突破し、再び盛り上がりを見せつつある。

“1周年ウィーク”がスタートした『劇場版アイナナ』が8ヶ月ぶりのトップテンに!
“1周年ウィーク”がスタートした『劇場版アイナナ』が8ヶ月ぶりのトップテンに![c]BNOI/劇場版アイナナ製作委員会

いずれも熱狂的なファンに支えられ、何度も劇場へ足を運んでもらうためのリピーター戦略に力を入れた結果がこうして“大ヒット”という数字となってあらわれているといえよう。浅く広くの支持を集めるよりも、熱狂的な層に深く届け、それが徐々に広まることで大ヒットへとつながる。こうした主に国産アニメ作品で見受けられる戦略は現時点では間違いなく正解である一方、今後もこれが正解であり続けるためには、まだたくさんの課題が残されているだろう。

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