第91回アカデミー賞ノミネート直前予想! 注目は『ROMA/ローマ』作品賞奪取、『ボヘミアン』の追い上げ&『アリー』の巻き返し
第91回アカデミー賞のノミネーション発表は1月22日(火)。すでにアカデミー会員の投票は14日に締め切られているのでハリウッド周辺はにわかに落ち着きを取り戻しているが、ノミネーションが発表され、現地時間の2月12日から19日までの最終投票期間まで、各映画のパブリシストは最終の追い込みに入る。今後は現地時間の1月27日の全米映画俳優組合賞、2月2日の全米監督協会賞、同じく2月2日のアニー賞(アニメーション)、2月10日の英国アカデミー賞が投票前のカギとなるイベントだ。
俳優賞は男女ともに固い顔ぶれ。サプライズはあるか?
主演男優賞のノミネートで固いのは、クリスチャン・ベール(『バイス』4月5日公開)、ヴィゴ・モーテンセン(『グリーンブック』3月1日公開)、イーサン・ホーク(『First Reformed(原題)』)、ラミ・マレック(『ボヘミアン・ラプソディ』(18))。あと1枠はブラッドリー・クーパー(『アリー/ スター誕生』)だろうと言われていたが、ゴールデングローブ賞の惨敗をどこまで巻き返せているか。ブラッドリー・クーパーに関しては、監督賞ノミネートも視野に入れているため、ロビイングが分散してしまっている恐れがある。どちらもノミネートされれば万々歳だが…。
サプライズがあるとすると、ドラッグの運び屋と銀行強盗という年齢を顧みない刺激的な役を演じたクリント・イーストウッド(『運び屋』3月8日公開)とロバート・レッドフォード(『The Old Man & the Gun(原題)』)の功労賞込みでのノミネートか。
主演女優賞は、5枠ほぼ“指定席”といわれている顔ぶれになりそう。ゴールデングローブ賞も手中に収めたオリヴィア・コールマン(『女王陛下のお気に入り』2月15日公開)とグレン・クローズ(『天才作家の妻―40年目の真実―』1月26日公開)、レディー・ガガ(『アリー/ スター誕生』)、メリッサ・マッカーシー(『Can You Ever Forgive Me?(原題)』)、そしてヤリャッツァ・アパリシオ(『ROMA/ローマ』)。取り立ててサプライズもなく、おそらく本選でもオリヴィア・コールマンとグレン・クローズの一騎打ちだろう。賞レースの前半戦がんばっていたレディー・ガガがどこまで持ち直すか気になるところだ。
助演男優賞は、マハーシャラ・アリ(『グリーンブック』)、リチャード・E・グラント(『Can You Ever Forgive Me?(原題)』)、アダム・ドライバー(『ブラック・クランズマン』3月22日公開)、ティモシー・シャラメ(『ビューティフル・ボーイ』4月公開)、サム・エリオット(『アリー/ スター誕生』)が下馬評の面子となっている。ここも取り立てて混戦となる模様はなく、本選でもマハーシャラ・アリの2度目の受賞とリチャード・E・グラントが闘うだろう。『バイス』でジョージ・ブッシュJr.を演じたサム・ロックウェルが参入してくると、『スリー・ビルボード』(17)に続き、2年連続助演男優賞となるのだが…。
助演女優賞こそ固い。『ビールストリートの恋人たち』(2月22日公開)のレジーナ・キングの独走状態が続いているなか、エイミー・アダムス(『バイス』)、クレア・フォイ(『ファースト・マン』2月8日公開)が続く。話題なのはレイチェル・ワイズとエマ・ストーン(『女王陛下のお気に入り』)の2人とも助演でノミネートされるのか、それともどちらかなのかというところ。映画の内容通り、レイチェルとエマのマウンティング合戦はアカデミー賞まで持ち越される。