繊細な演技はピカイチ!17歳の新進女優・南沙良と四季を過ごす<写真10点>
江崎グリコ「ポッキー」をはじめ、ソフトバンク「SoftBank学割」など、いくつもの大手企業CMに出演中の若手女優・南沙良。澄んだ大きな瞳に端正な顔立ちから“第二のガッキー”とも呼ばれている現在17歳の彼女は、高い演技力が映画界から注目の的となっている逸材なのだ。3月20日(金・祝)に、美しい風景描写も楽しめる主演作『もみの家』を控えた彼女の魅力を紹介したい。
2014年、第18回ニコラモデルオーディションでグランプリに輝き、芸能界入りした南。約200人の中からメインキャストに選ばれた『幼な子われらに生まれ』(17)で浅野忠信扮する血のつながらない父を辛辣な言葉で拒絶する娘を演じ、鮮烈な女優デビューを果たす。初主演を務めた『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(17)では、吃音症に悩む女子高生という難役に挑戦。鼻水を垂らしながら号泣するなど迫真の演技をみせ、見事、第61回ブルーリボン賞や第43回報知映画賞をはじめとする、新人賞を総なめにした。
そんな彼女の最新主演作『もみの家』では、不登校を機に心を閉ざしてしまった高校生・彩花を演じている。本作は、心に不安を抱えた若者を受け入れる施設「もみの家」を舞台に、緒形直人と田中美里が演じる施設を営む穏やかな夫婦に見守られながら、ヒロインが仲間との農作業や地元の人々と交流を通じて、少しずつ成長していく姿が映しだされる。
母に連れられ「もみの家」にやって来た彩花の鬱屈とした気持ちを、南はうつむいた横顔で表現。また、田んぼでの慣れない野良仕事に嫌気がさした彩花が、泥だらけのまま感情を爆発させる場面も心を打たれる。一方、地域の心優しいおばあちゃんと絆を育んだり、村祭りの獅子舞の練習に打ち込むうちに、変化し始める彩花の繊細な心の機微を、南はふとした表情や仕草に込めて丁寧に演じている。坂本欣弘監督の出身地・富山県で1年かけて撮影されたという美しい四季の自然も見どころとなる本作には、撮影時役柄と同じ16歳だった南の等身大の魅力が詰まっているのだ。
現在、映画に関する連載をしている雑誌「DVD&動画配信でーた」で、実は筋金入りのアニメファンで、B級海獣映画好きだとも明かしている南。意外な素顔も気になるところだが、まずは本作でその確かな演技力を目撃してほしい!
文/トライワークス