ルーカスフィルムが総力を結集!壮大な冒険の幕が開く「ウィロー」第1話&第2話をレビュー

コラム

ルーカスフィルムが総力を結集!壮大な冒険の幕が開く「ウィロー」第1話&第2話をレビュー

ジョージ・ルーカスが原案と製作総指揮を務めた冒険ファンタジー映画『ウィロー』(88)。その20年後の世界を描いたオリジナルシリーズ「ウィロー」のディズニープラス独占配信が、11月30日にスタートした。MOVIE WALKER PRESSでは、エンタメ感満点で描かれる本作の魅力をレビュー連載で徹底ガイド。今回は、再び壮大な冒険の幕が開く第1話と第2話のレビューをお届けする!

※以降、ストーリーの核心に触れる記述を含みます。未見の方はご注意ください。

日本でも大ヒットを記録!前作『ウィロー』をプレイバック

ルーカスの出世作である『アメリカン・グラフィティ』(73)に出演していたロン・ハワードが、映画監督となって初めてルーカス製作作品の監督を務めたのが、前作の『ウィロー』だった。それから30年を経て『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(18)でルーカスと再び一緒に仕事をしたハワードは、その時の来日インタビューで「ルーカスは僕にとって兄のような存在」だと語っていた。

1988年に制作され日本でも大ヒットを記録した前作『ウィロー』
1988年に制作され日本でも大ヒットを記録した前作『ウィロー』[c] 2022 Lucasfilm Ltd. All rights reserved.

兄弟のような関係は、俳優と監督、もしくは監督とプロデューサーとしての仕事上では“師弟関係”、あるいは“盟友”という表現がふさわしいだろう。人と人との繋がりを示すこのテーマは、ルーカスが生みだした神話たち、「スター・ウォーズ」「ウィロー」の根幹にあるテーマだ。前作ではウィロー(ワーウィック・デイヴィス)とマッドマーティガン(ヴァル・キルマー)の盟友関係、ウィローがフィン・ラゼル(パトリシア・ヘイズ)から魔法を教わるという師弟関係が感動をもたらしていた。長く険しい冒険の旅路は、到底一人では歩めない。「スター・ウォーズ」と「ウィロー」に共通する胸を打つ“絆”の物語が、今作では新たなキャラクターと共に描かれる。


魔法使いになることを夢見るネルフィン族のウィローは、拾った赤ん坊を返しにいく冒険に繰り出す
魔法使いになることを夢見るネルフィン族のウィローは、拾った赤ん坊を返しにいく冒険に繰り出す[c] 2022 Lucasfilm Ltd. All rights reserved.

まずは前作を簡潔におさらいしておこう。魔術を使って世界の大半を手中に収めた邪悪な女王バヴモルダ(ジーン・マーシュ)は、“しるし”を持つ赤ん坊が生まれバヴモルダを滅ぼすだろうという、魔女フィン・ラゼルの予言を危惧していた。そこで妊娠した女性たちを監視下に置いていたのだが、ある日本当に“しるし”を持つ赤ん坊が生まれてくる。その赤ん坊を抱えて城から逃げだした助産師は、追手に捕まりそうになりながら赤ん坊を川へと流して逃す。その赤ん坊を拾ったのが、魔法使いを夢見るネルフィン族の青年ウィローだった。

ウィローは長老の教えに従い、その赤ん坊を人間の元へと帰すための旅へと出発する。その道中で囚われの身となっていた戦士のマッドマーティガンと出会ったり、妖精のブラウニー族に捕まったりと、様々な困難を経験しながら仲間を増やしていくウィロー。動物の姿に変えられていたフィン・ラゼルから魔法を習い、戦いを経て味方になったバヴモルダの娘ソーシャ(ジョアンヌ・ウォーリー)らとバヴモルダに挑み、無事に世界は平穏を取り戻したのである。

道中で出会うマッドマーティガンを演じていたのは『トップガン』のヴァル・キルマー!
道中で出会うマッドマーティガンを演じていたのは『トップガン』のヴァル・キルマー![c] 2022 Lucasfilm Ltd. All rights reserved.

公開当時、日本でも配給収入15億円のヒットを記録した『ウィロー』。前作から30年以上という長いスパンを経て、前作を観たことがある人の記憶を呼び覚まし、観たことがないという人にもわかる物語として続編を作りあげるのは容易なことではない。特に複雑な設定をもつファンタジーというジャンルではハードルが高いことがわかるだろう。

しかし今作の第1話は、そうした不安をあっさり吹き飛ばしてくれる軽快さと、新鮮なおどろきを感じさせてくれた。前作を知っていればより深く楽しめるが、知らなかったとしても充分に楽しめる世界観構築がなされている。実に巧みな“続編”を作ったものだと脱帽せずにはいられない。さすがルーカスフィルム、おそるべし!


ジョージ・ルーカスが生みだした、“冒険ファンタジーの原点”を徹底ガイド!「ウィロー」特集【PR】

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