愛する者と戦い、日本へ行き、タイムスリップも経験!『デッドプール&ウルヴァリン』へ至るウルヴァリンの足跡
マーベルを代表するお調子者デップーが大活躍するシリーズ最新作『デッドプール&ウルヴァリン』が公開中だ。本作でデップーとコンビを組むのが、「X-MEN」シリーズの顔として活躍し、『LOGAN/ローガン』(17)で壮絶な最期を遂げたウルヴァリン。超合金アダマンチウムの骨格を有する彼は、驚異の治癒能力を持つ無敵の戦士。シリーズ第1作『X-MEN』(00)から一貫して彼に血肉を与えてきたヒュー・ジャックマンが、本作でも武闘派ヒーローを演じている。ワイルド系ヒーローの代名詞といえるウルヴァリン復帰にあたり、映画シリーズにおける彼のヒストリーを振り返ってみたい。
自身のアイデンティティに苦しみ、愛する人のために戦った「X-MEN」3部作
マイノリティであるミュータントたちが活躍する「X-MEN」で、ウルヴァリンは実写デビューを果たした。ミュータントの存在が社会問題化する2000年代を舞台に、記憶を失くし放浪の旅をしていたウルヴァリンが、プロフェッサーX(パトリック・スチュワート)率いるX-MENに加わり使命に目覚める姿が描かれる。ウルヴァリンを演じたジャックマンは、本作がハリウッド映画デビュー作。無精ひげをたくわえた精悍な顔つき、そして射るような目つき…。マカロニウエスタン時代のクリント・イーストウッドを思わせるキャラクターで脚光を浴び、出身国オーストラリアからハリウッドに拠点を移し、スターへの階段を上っていった。
『X-MEN』は、ウルヴァリンが自分の居場所を見つけるまでの物語。地下格闘技でのラフファイトからミスティーク(レベッカ・ローミン)とのアクロバティックな死闘、マグニートー(イアン・マッケラン)とのスペクタクルな一騎打ちなどウルヴァリンが大活躍する痛快作。ウルヴァリンとジーン(ファムケ・ヤンセン)、彼女の恋人サイクロップス(ジェームズ・マースデン)との三角関など人間ドラマも見どころだ。
続く『X-MEN2』(03)は、ウルヴァリンにアダマンチウムの骨格を埋め込んだ軍の研究者ストライカー(ブライアン・コックス)が登場。断片的に過去の姿が映しだされたほか、ウルヴァリンによく似た能力を持つストライカーの右腕デスストライク(ケリー・フー)との死闘に加え、ジーンに想いを告げたり、かつて火花を散らしたミスティークから迫られるなど前作とはまた違った展開が楽しめる。
完結編『X-MEN:ファイナル ディシジョン』(06)は、ウルヴァリンとジーンに特化した物語が展開される。ジーンのなかに存在する別人格フェニックスが覚醒。サイクロップス、プロフェッサーXを殺して暴走する彼女を止めるため、ウルヴァリンが奔走する。アクション度数は控えめだが、クライマックスで涙を流しながらジーンに挑む姿が熱い。ジーンの暴走はのちに『X-MEN: ダーク・フェニックス』(18)でも描かれたが、本作はラブストーリー仕立てなのがポイントだ。