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スターに憧れる子どもを描く最新作!ドラン監督もディカプリオに手紙を書いたと告白

インタビュー

スターに憧れる子どもを描く最新作!ドラン監督もディカプリオに手紙を書いたと告白

弱冠19歳で『マイ・マザー』(09)の監督・脚本を手がけ彗星のようにデビューし、以降国際映画祭の常連となったカナダ映画界の新星、グザヴィエ・ドラン。2016年のカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した『たかが世界の終わり』(16)に続く最新作『The Death and Life of John F. Donovan(原題)』のワールド・プレミアが、第43回トロント国際映画祭で開催された。

本作は、テレビドラマで活躍するスター、ジョン・F・ドノヴァン(キット・ハリントン)に憧れ、ファンレターを書く8歳のルパート(ジェイコブ・トレンブレイ)とドノヴァンとの文通が双方の運命にもたらす影響を描く。本作はカナダ・英国合作でドラン初の英語劇となり、ルパートの母親にナタリー・ポートマン、ドノヴァンの母親にスーザン・サランドン、ドノヴァンのエージェントにキャシー・ベイツら、豪華なキャストが揃い、撮影の多くは英国で行われたそうだ。

「ほとんどのスタッフは今までの僕の映画に関わってくれていた人たちだから、国籍や言語が変わっても僕自身のクリエイティビティに変化はなかったよ。地元を離れて海外へ行き、撮影を行うことは挑戦でもあったけれど…特に英国の食べ物事情には悩まされたね(笑)。1日3回の食事が苦痛で苦痛で、全く食べた気がしなかったんだ。」とドランは意外にも英国での食事に苦しんだことを明かした。

続けてドランは、「それ以外は問題は感じなかったし、カナダを離れて撮影したおかげで、素晴らしいキャストに集まってもらうことができた。彼らの作品に対する情熱やプロ意識は完璧で、今まで一緒にやってきたモントリオールのキャストたちとは別の次元だった」と撮影を振り返った。

物語のキーとなるルパートがとった行動は、カナダで子役として活動していたドラン自身の体験からきているという。『タイタニック』(12)を観ていたく感動したドラン少年は、レオナルド・ディカプリオに手紙を書いたそうだ。

ドランは今回のプレミアの場で、当時の手紙を読み上げた。「レオナルドへ。僕の名前はグザヴィエ・ドランです。僕は8歳です。3月20日に9歳になります。『タイタニック』を5回観ました。あなたの演技は素晴らしく、憧れました。僕も役者をやっています。カナダのドラッグストアのCMと、4本のフランス語の映画に出ました。いつか映画で共演できると嬉しいです。モントリオールであなたの映画を撮影することがあって、子役が必要だったら絶対にオーディションに受かります。レオ、あなたがお返事と、写真を送ってくれることを願っています。僕の住所は…」。

ドランは俳優としても活躍し、トロント国際映画祭では、転向療法と呼ばれる心理的介入をもって、性的趣向を制御する療法を描いたジョエル・エドガートン監督作『Boy Erased(原題)』に出演している。今年のトロントにディカプリオの姿はなかったが、いつかドランとディカプリオの共演作、もしくはドランがディカプリオを演出する作品を観ることができるかもしれない。

取材・文/平井伊都子

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