ブラムハウス大解剖!クリエイター至上主義が可能にした、野心的ホラーたち
新たな才能を次々と発掘!あのシリーズのスタッフも監督デビュー
もちろんブラムハウスは、いままでスポットが当たらなかった才能を成長させることにも長けている。そのなかでも特に大きな飛躍を遂げたのは、やはり『ゲット・アウト』(17)と『アス』(19)でホラー映画界に新風を巻き起こしたジョーダン・ピールだろう。
元々は俳優としてコメディ映画を中心に活動していたピールが何年もかけて温めていた企画で監督デビューを飾った『ゲット・アウト』は、“恐怖と笑いは紙一重”という言葉を体現するかのようにホラーとコメディの両面を携え、さらに人種差別という根深い社会問題にも斬り込むオリジナリティあふれる作品。
北米でサプライズ級のヒットを記録しただけでなく、ホラージャンルとしては異例のアカデミー賞作品賞ノミネート。しかもピール自身は同脚本賞を受賞することになり、ブラムハウスへの注目度をさらに上げるきっかけとなった。
ほかにも自身の短編をブラムハウスのもとで長編リメイクした『オキュラス/怨霊鏡』(13)をきっかけに大作を手掛けるまでに成長したマイク・フラナガン。2000年代に一世を風靡した「ソウ」シリーズの脚本家だったリー・ワネルは『インシディアス 序章』(15)で監督デビューを果たし、『透明人間』(20)で大成功。同じく「ソウ」シリーズで編集マンを務めていたケヴィン・グルタートも『ジェサベル』(14)と『ヴィジョン/暗闇の来訪者』(15)で監督としての才能を発揮している。
斬新な企画と発想で、ホラーの新時代を切り拓く!
あらゆるホラー表現のかたちがあるなかで、監督たちの持つアイデアを活かしても、時にパターン化してしまうのがホラー映画の難しいところでもある。いかに観客に恐怖を与え、それでいて斬新な切り口を伴ってエンタテインメントへと昇華させる。ブラムは監督の創作領域にいたずらに介入しない代わりに、その両面を持ち合わせた作り手を見極めているのだろう。
特にここ数年、ブラムハウスのオリジナル・ホラーはこれまで以上にエンタメ色が豊かになっている。殺人鬼と女子高生が入れ替わってしまうコメディ要素が程よく恐怖描写とマッチした『ザ・スイッチ』(20)であったり、AI人形の暴走を描く『M3GAN/ミーガン』(22)は、そのなかでも興行的にも批評的にも成功を収めた作品。また、イギリスの若き俊英ロブ・サヴェッジが手掛けた『DASHCAM ダッシュカム』(21)はライブ配信スタイルの画面で、新たなPOVホラーのスタイルを切り拓いた。
ほかにも1980年代にカルト的人気を博した同名作品を現代に置き換えてリメイクした『炎の少女チャーリー』(22)や、世界的人気ホラーゲームのダークでポップな世界観をそのまま卓越したストーリーテリングに落とし込んだ『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』(23)などなど。王道のホラー映画でありながら、ホラーがちょっぴり苦手な人でも楽しめるような娯楽作を次々と送りだすブラムハウス。忘れてはいけないのは、いずれもほかのスタジオのエンタメ映画とは比較にならないほど低予算で作られた作品であるということだ。
続く第2回では、“低予算&ハイクオリティ”というブラムハウスの代名詞ともいえるキーワードを深掘りしながら、シリーズ化されるほどの人気を集めた作品たちを紹介していきたい。
文/久保田 和馬
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ブラムハウス大投票!
①【ブラムハウスの代名詞!オリジナル&単体作】25本②【大ヒットシリーズ&続編たち】36本
③【掘り出し物多数!劇場未公開作】35本
〆切は、6月30日(日)の23:59まで。
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